大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和24(オ)195 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告理由第一点について。

原判決を通読すると所論の「本件登記は控訴人(上告人)のなんら関知しない無

効のものである」との主張は、原判決が排斥している趣旨であることが明らかであ

る。したがつて原判決には、所論のような判断遺脱の違法はなく論旨は理由がない。

同第二点について。

原審挙示の証拠によれば、本件売買は上告人が長男Dを代理人としてなさしめた

ものであるという原審の認定は十分できる。論旨は結局原審の適法にした事実の認

定を非難するにすぎないもので、上告適法の理由とならない。

同第三点について。

所論の「本件売買は上告人が被上告人に対する借用金を返済する目的でしたもの

である」というような事実は、原判決はどこにも認定していないのである。原判決

が「被控訴人(被上告人)に対する借金はついぞ返済の見込みたゞず云々」といつ

ているのも、なんら所論のような事実を認定したものでないことは原判文に徴し明

白である。所論(1)および(2)の点は、かゝる原審の認定しない事実を前提と

する立論であつて失当である。また所論(3)の点は「本件売買当時Dが不身持で

殆んど自宅に寄り附かず妾宅に寝泊りしていた」とか「被上告人が本件売買の事実

を上告人に隠秘に付していた」とかいうようなこれ亦原審の認定しない事実を前提

とする独自の見解にすぎない。原判決にはなんら所論のような條理に反して証拠を

取捨選択した違法はなく、本論旨はすべて原審の適法にした証拠の取捨判断ないし

事実の認定を非難するに帰着し上告適法の理由とならない。

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よつて民事訴訟法第四〇一條、第九五條、第八九條の規定に従い主文のとおり判

決する。

以上は裁判官全員一致の意見である。

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 長 谷 川 太 一 郎

裁判官 井 上 登

裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

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